2018年1月18日木曜日

次回作でやること

以前から書き散らしていましたが、3か月ちょっとの間戦闘システムをいじりながら改めて案を練っていたので、ここでひとまずまとめを書いておこうと思います。

次回作の目標は「用意したシステムを使い切れるようなゲームにする」です。
初作品から、必要に迫られたり突然頭に降って湧いた新システムをあまりためらうことなく追加実装してきたのですが、「それなりに面白いけどそのシステムで遊びつくせる前にゲームが終わる」ので、これが無いようにしたいですね。
ただ、ゲームの尺が集めたグラフィック素材に大きく制限されている点をどうにかしない限りゲームの尺は伸ばせそうにありません。

レイユウサイの戦闘は主人公の成長度合いを除いて、技能、付与呪文、場効果の3つがゲーム側で関わっていましたが、技能のみで終わってしまうプレイヤーもいれば「場効果ってなに?」状態のプレイヤーもいた(このシステムはチュートリアルがないのが悪かった)ので、人によっては想定の1/3しか遊べていなかったと認識してもいいでしょう。
もしここに次回作計画の初期に考えていた武器防具の要素を追加したとして、これをうまく使いこなせるだろうかと考えてみたら、正直なところだいぶ怪しいので武器防具の実装は見送りです。

そんなわけで次回作の戦闘も技能、付与呪文、場効果の3つのまま突き通して、進行度に応じてシステムに対する習熟度を求められるようなつくりにしたいですね。
ただ、そのまま改良せずに突っ込むとまた同じことの繰り返しになるだけなので、最初に書いた通りシステムをいじっていました。別物とまではいきませんが、今までできなかったことがたくさんできるようになりました。
戦闘まわりの仕様では「技能使用後の再詠唱時間(再使用可能までの時間)がすべての技能で共通」「最大SPが成長しない」の2点は変えずに継続します。人によっては面倒くさい仕様だったかもしれません。世界観設定による仕様であると同時に戦闘面の設計で考えがあってこの仕様にしているのですが、覚えていたら次回作の公開後のどこかで書きます。

育成要素=レベル上げて技能を覚えよう!なので、技能の機能拡張と拡張した部分も使うことで良くなると思いたいところです。
ここはある程度の多様性があってナンボのものだと思うので、「この習得順が唯一の安定パターンなのだ」ということが減るようにはしたいですね。クリア報告で技能セットの記述があるものを見ていくとかなりバラけていたので、取る技の面は良かったと思っています。ただ、「ステータス比例強化+成長率強化」は個人的にはお気に入りでしたが、思い返せば自分も火あぶりか強い一撃あたりを取った後はHPにガンガン注ぎこんでいたので、習得順のあたりに関してうまくいっていたかというと自信は持てない感じがします。どうやってもセオリーとなるやり方が生まれてしまいがちではあるんですが、工夫の余地を見つけて工夫はしていきたいとは思っています。

他の汎用システムは初作品の段階で土台ができ、レイユウサイでおおよそ完成したので、順当に機能を強化したり追加したり、動作安定性を高めていくのが安定かなと。


そして今の進捗。
システムまわりは6割ほどが改良完了、残りが新規作成、作り直し/改良待ち。残りのなかでは新規が多いですね。

マップは1割以下。チュートリアル向けのケルリート大洞窟もとい「ケルリートの洞窟」の案だけ練ったところ。
同じ場所がけっこうたくさん出ます(レイユウサイ+αな感じ)が、全部描き直しということになりました。似たような地形はきっと出るだろうけども。
システムのなかでも当たり判定まわりに手を入れたので、必然的にマップが合わなくなることがわかっているためです。
今のところ1エリアの所要時間が1.5~2倍になるような感じで計画していますが、案練るうちに小さくなるかもしれない(小さめマップにしたがる症状)。

グラフィックまわりはほとんど手つかず。ウィンドウベースくらいは変えようか悩んでます。
マップチップは相変わらずフリーのものを使い、キャラクターグラフィックも同じく。
アイコンは自作率が上がる予定です。あと、キャラクターグラフィックのなかでもモンスターのものは一部自作になる……予定。
戦闘エフェクトも一部は自作や改変素材となる予定。
問題は背景ですね。同じ町が舞台なので、変えないのが自然ですが……。
このあたりは自身のドット絵技術の向上に応じて変わりそう。レイユウサイでも技能用アイコンを打ったのですが、まれに普通の小さいドット絵も打っています。もっと頻度上げたいですね。
グラフィック自作できると世界が広がるということがアイコン打っただけでも見えたので、なんとか身につけたい……。

音関係は全部フリー素材屋さんのお世話になります。
まだBGMが決まってません。ほぼ夜だったレイユウサイとは違って昼も夜もあるので、同じ場所が大量に出てくるから全く同じでいいですね!とは言えない……。選曲基準が「夜の場面に流して違和感ないもの(明るさ成分少なめの曲)」だったので、昼型プレイをするときっと合わない。
こういう続編的な作り方をする場合のノウハウがないので手探りでやることになりそう。

シナリオまわりは大筋だけ。オープニングから山場とエンディングまでは決まっています。
主要な人物がいつ頃何やってどうなるという設定を詰めている最中なので、ここが終わると本格的にイベント案を出したり本筋のテキスト書いたりできるようになります。
ウディコンの物語性11位という結果をどう受け止めればいいかよくわかりません……。

制作期間は短編のくせして異例なほど長い、20か月を予定。グラフィック方面での勉強期間が含まれるので、どうしても増えてしまう。
無事に完成すれば第11回のウディコンに持っていきます。

2018年1月8日月曜日

レイユウサイができるまで

気が向いたので書いていきます。

原案作成が2016年の10月上旬なので、制作期間はそこを起点にします。

1か月目~3か月目
原案をつくる
基本システム+α(自作システム)で1作RPG作ってVer1.00を公開したあと、またRPG作りたいな~と思い原案を考えました。この段階でシナリオの大筋が先にできて、次にゲームシステムをどうしようか検討することに。
基本システムの戦闘システムをベースに一対一のパズルチックなバランスの戦闘の案が浮かんだものの、シナリオとの相性やゲームのテンポを考えて、ボツとなりました。「暗い森を一歩ずつ踏みしめながら進む」みたいなコンセプトだったら合うかもしれませんが……。
最終的に一番条件に合いそうなのがアクションRPG形式だったので、それを採用することになりました。当時ゲーム歴10年に届くか届かないかくらいでアクションRPGも「よるのないくに」程度しかやったことがない(フリーのものも全く遊んでいない)という、ゲームやらないヤツがゲーム作るみたいな感じだったのに、よく止めなかったなと思います……。
戦闘システム以外のシステムもこの段階で固めてしまっています。メニュー式の町や育成要素などは前作(MoebirinAdventure)のものを改良して引き継ぐことで、システム作りで失敗が少なくなるように意識しています。自分好みなのも大きい。

基幹システムを作る
アクションRPGのプレイ経験は少ない、制作経験は皆無ということで、ネット上の講座を漁り、なんとかアクションRPGの基幹システムを作成。ついでに入れたいシステムを組みこんだり講座の通りにやるとバグる部分の修正をしたり、汎用性を高める改良などを実施して、自分用に作り変えました。ベースはおおよそ1か月くらいで完成。そのなかでもAIの処理はかなり苦戦していて、心折れそうになりながら1度か2度作り直しています。
初期の戦闘システムでは「攻撃キー×2」のみでしたが、テストプレイしてみると明らかに足りないことがわかりました。攻撃キーをそのまま増やすか切替キー導入で増やすかで考えた結果、操作キーが少なくとっつきやすいと思う、切替キー導入で増やすことに。
メニュー画面とそこから呼び出す機能は1か月くらいで完成。メニュー起動受付は基本システムを流用&改造したものを使い、その上に自作のメニュー画面を乗せるかたちをとりました。
前作から改良して持ってくるはずだったシステムは、もとの処理やDBの作りが絶望的にひどかったので大部分を作り直しました。
そして、いつまでもテストマップには居られないと思い、仮のチュートリアルを作成。

ここまでやって12月中旬。

付与呪文システムを思いつく
仮のチュートリアルを作って何回か遊ぶうちにまた物足りなさを感じて「なんかもうひと味ほしいぞ!!」となったので「基本の技に任意で付与効果をつけるシステム」を考え、一晩でやりたいことをまとめて年末年始はひたすら付与呪文システムの実装作業をしていました。(後になって知ったことですが、似たようなシステムを搭載したゲームはそこそこあるようですね)
「なんでスキルと付与呪文のセット画面が別なん?」と思われた方もいたと思いますが、後から追加したシステムなのと、低難易度で習得済み技能をメニューから選んで使えるシステムを用意していた(最新版では削除済み)のが理由で統合できませんでした。

データの仮入力
全スキルのデータとモンスターデータ、付与呪文のデータを全部入力。

4か月目~6か月目
ひたすらマップを描く/敵とイベント配置
白螺子屋さんのところのマップチップを使いましたが、自分の感覚と仕様が合うので楽しく描けました。ただ、アクションRPG経験の貧弱さが悪さしてマップの広さはアクションRPGにしてはちょっと狭めだったかもしれない(ちょうどいいというコメントも狭いというコメントもある)。ダッシュがいらない広さかつアクションRPGらしいマップ作りと見栄えのバランスをうまく取るのが今後の自分の課題でしょう。ちなみにサルダーム山とティオライ氷穴の2マップ目以降は遊んでいて面白くなかったので、7か月目以降で全面描き直しをしています。

ひたすらテキストを書く
自分でいうのもなんですが、結構な遅筆なうえセリフ回しが大の苦手だったので、この工程は文章量に対してすさまじく時間がかかりました。txtでテキスト表示システムの制御ができるようにしたおかげで、デフォルトのままよりは執筆速度がマシになったはずなのですが……。この工程が最後まで足を引っ張り、完成は4月上旬になりました。

バランス調整
戦闘バランス調整はアクションRPGらしい調整が全くわからずほぼ手探り。「Excelで作ったダメージ計算機に数値入れてデータ調整→テストプレイ」をひたすら繰り返しました。思えばアクションRPGにすると決めた段階でフリーのアクションRPGを漁ればよかったのかもしれませんが、全くやらなかったので良くも悪くも他からあまり影響を受けずに作ってしまいました。
最終的には「主人公は低HP・高防御」「モンスターは高HP・低防御」「エリアが変わるごとに要素を足す」の3点を意識したものとなりました。主人公は女の子でしかもマッチョではないが魔法が使えるということから、打たれ弱さを低HPで、被弾時に一応受け身取ったり魔法で防壁を張ったり服になんか防護効果があるという設定(?)で高防御にしています。モンスターはプレイ感覚的な問題でそうなりました。「要素を足す」というのはこんな感じです:ケルリート大洞窟「近接攻撃のみ」→イトバの森「中距離攻撃(火の玉)、回復技追加」→サルダーム山「遠隔攻撃(氷魔法)追加、攻撃力アップ」→ティオライ氷穴/エハルト地下墓地「対集団戦闘になりやすい配置、耐久力アップ」→フェンミの洞窟「ダンジョンギミックが強く影響するマップ」
初期版の戦闘バランス・システム周りはある意味で作者の趣味が色濃く表れたものとなっています。

ここまでで4月上旬、ひとまずの完成となったのですが、ここでウディコンの存在を思い出して、そこまで温めておくことに。

7か月目~9か月目
ひたすら遊んで、個人的に欲しい機能を追加
いろいろ追加したので記憶が怪しいですが、なんかいろいろ追加しました。技能セット/付与呪文セット画面の下にある小窓で装備中の付与呪文/技能が見える機能や、タイトル画面からキーコンフィグが適用される機能なんかはこの頃に追加しています。一度見たイベントの選択肢が青字になる機能は実装時期もう少し早かったような気もしますが、これも途中で追加した機能。

その他のシステムを作る
個人的にほしかったモンスター図鑑と、サウンドテストを追加。前作でモンスター図鑑を作ろうとして挫折した経験があるのですが、いつの間にかおやつ感覚で作れるようになっていました。バグはあったけども。

シナリオの大規模工事
 実はここでルートをひとつ削除しています。ルート1つ・エンディング2つの削除で(現在の)Aエンド・Bエンドのみになってしまったところへダンカン差分の追加で3エンドになりました。他にもルート削除で減った代わりのイベントを追加しています。ルート削除のきっかけは「超説明不足だから」でした。かといって理解できるくらいイベントを増やすと本編を食ってしまうので、削除となりました。フラグ管理ミスの多くは追加したイベント部分で起こっています。デバッグ能力がアレなのに期間ギリギリでシナリオの工事をしてはいけない……。

(この頃はレイユウサイ制作を通して機能向上した汎用システムを前作に逆移植するアップデートも地味におこなっていました)

レイユウサイの制作期間は6か月+3か月で9か月でした。ゲームの長さから言えば制作スピードは遅いほうだと思います。

ここまで作業したあと、最終データをVer1.00として7月23日から開催された第9回ウディコンに初日から参加。フラグ管理ミスの修正やら不便・不親切という指摘のあった部分のフォローなどで連日連夜作業して更新しましたが、デスマーチ状態というよりは完全にハイになってて一人お祭り状態でしたね……。あと、仮眠取っているとバグ報告がくる夢を見ることがあるんですが、そういうときに起きあがってバグ報告掲示板見るとバグ報告が本当にあるんですよね(前作も同じことがあった)。これはフリーゲーム作者あるあるなのかな?